ねじインサートとは、コイルの形をした工具で、ねじに入れることでねじの強度向上やねじの補修に使えます。
ねじインサートを使用するには、ねじインサートを挿入するためのめねじが必要です。そのめねじをインサートねじといいます。インサートねじを加工する為には専用のタップ・下穴用ドリル・ねじタップが必要です。加工手順は以下の順番で行います。
インサートねじは、”ねじインサート”を入れるためのめねじのこと。本来のねじサイズに対し、ピッチはそのままに外径が大きい。専用の工具が必要。スレッドミルでも加工可能。下穴径が通常のねじと異なる。 | ねじインサートとは、めねじを補強するコイル状の工具のこと。インサート、ヘリサート、または、スプリューと表現する場合もある。挿入工具を使用してタングという部分を保持しインサートねじに入れる。画像は「E-サート」という製品。タングがないタイプのタングレス・インサートという製品もある。 |
(1)ドリル加工(インサートねじの下穴)
インサートねじは、通常とねじとくらべて、コイルを入れる分、ねじ外径が大きくなっています。ピッチは同じです。インサートねじの下穴は通常のねじと異なります。
アルミや樹脂へ穴あけを行う場合は、ステンレス用ハイスドリルEX-SUS-GDSがおすすめです。
(2)タップ加工(インサートねじ用タップでインサートねじを加工)
インサートねじのタップには、品名に「HL」が付きます。(A-SFT HL) スレッドミルでもインサートねじの加工が可能です。タップの切削条件を計算の際、タップ外径は下穴表のねじサイズ横にある()の数字を参考にしてください。
(3)タップ検査(インサートねじの検査を行う。ねじタップは、インサートねじ用を使用する。)
タップ検査は、ねじインサート挿入前に、図面指示のねじ精度のインサートねじ専用のねじタップ(HL-LG)を使用して行ってください。
合否判断:通り穴が通って、止り側が2回転以上入らなければ合格
(4)インサートを挿入する(インサート)
必要なものは、インサートねじ・挿入工具・折り取り工具の3つです。
・ E-サートの挿入工具・折取工具・抜取工具
ねじインサートは、ねじ長さによって選択が可能です。図面指示の有効ねじ長さより選びましょう。挿入工具はねじサイズごとに必要になります。手動タイプと電動タイプがあります。電動タイプは、手動タイプの挿入工具を先端に取り付けて、能率的に作業できます。あわせて挿入後にタングを除去するための折り取り工具も必要です。なお、基本的には必要ありませんが、何らかの理由で抜き取る場合は専用の抜取工具が必要となります。
インサートメーカーによっては、手順が異なる場合もありますので、ご注意下さい。
ねじインサートの挿入方法
(1):挿入工具にインサートを装着
(2):挿入
(3):挿入工具を抜く
(4):折り取り工具でタングを除去
完了