有効径の違いを比較 従来JISとISO ・ねじとねじゲージ・おねじとめねじ
JIS規格における従来JISとISOのねじ精度、ねじとねじゲージ、おねじとめねじ、それぞれの有効径の位置関係を下図に表します。
「ねじ」と「ねじゲージ」の位置関係 めねじ M10X1.5 2級と6H(6g)
①有効径(大)②有効径(小) ③6Hめねじ ④6gおねじ ⑤2級めねじ ⑥2級おねじ ⑦工作用止まり側 ⑧検査用止まり側 ⑨有効径基準寸法 |
位置関係からわかること①
ねじ精度ごとの位置と範囲 めねじの(6H・2級)、おねじの(6g・2級)では、ねじの有効径の位置・範囲がそれぞれ異なります。
その為、図面指示2級のねじ精度を検査する場合には6Hのねじゲージを使用することはできません。
また、6Hの図面指示ねじ精度を検査する場合、2級のねじの公差が6Hの中にあったとしても、規格にあるゲージの使用方法上、2級のゲージを使用することはできません。
図面指示である6Hのゲージを使用する必要があります。
位置関係からわかること②
リングゲージにプラグゲージは入らない それぞれの径を比べると、リングゲージの方が小さく、プラグゲージの方が大きいことがわかります。
つまり、小さいめねじに大きいおねじは入らない=リングゲージにプラグゲージは入らないという関係となります。
もし、入ってしまった場合は、プラグゲージが摩耗して径小になっているか、リングゲージが摩耗して径大になっていることが疑われます。
ゲージとしての役割を満たせない可能性がある為、そのゲージの使用をただちに停止し、校正をご検討ください。
位置関係からわかること③
従来JISの止まり側は検査用より工作用を使う方が合格範囲が狭い ねじ用限界ゲージは、通り側が通って止まり側が止まることで合格となります。
止まり側には検査用と工作用の区別があり、一般的に加工する側は工作用を使用します。検査用は社外へ加工を依頼した際の受入検査で使用されます。
そうすることで、基本的に工作用で合格した被削材は検査用でも合格するというスムーズさが得られるためです。なお、ISOでは止まり側に検査用と工作用の区別はありません。
製造業者側と使用者側でねじゲージの判定の不一致が生じた場合の取り扱いについてはJISハンドブック、または、下記リンクの日本産業標準調査会(JISC)のウェブサイトをご参照下さい。
JIS規格番号やJIS規格名称、規格に使用されている単語より検索することができます。