タップ加工で特に注意すべき点は下記になります。
①タップ選定
被削材の種類や硬さにに適したタップを使用しているかをカタログの適応被削材一覧より確認しましょう。通り穴 or 止まり穴によっても選ぶべき切りくず排出方向のタップを選定する必要があります。
・止まり穴
切りくずがタップシャンク側に排出されるスパイラルタップが適します。
・通り穴
切りくずがタップの進行方向側へ排出されるポイントタップが適します。
・切りくずがつながりにくい被削材
FCのように切りくずが砂状になる被削材には、溝スペースが広いハンドタップが適します。
②下穴径
タップ加工において、下穴径は非常に重要です。切削タップでは下穴径はねじ規格のめねじ内径の公差内である必要があります。
下穴径が範囲内でも大きめであれば、その下穴を加工するタップ加工の切削量も減ります。同時に、切りくず排出のためのスペースも広く取る事ができます。下穴径も選定をし、タップ加工を行いやすいように準備しましょう。
その際、被削材とドリルの組み合わせによっては、ねらいの下穴径より拡大したり縮小したりする場合もございます。下穴径のためにドリルも被削材に合った選定が必要になります。
③切削油
タップ加工において切削油は非常に重要です。切削油の主な効果は潤滑性と冷却性で、切りくず排出性向上や溶着防止に寄与します。タップ加工は他の工具に比べ、1回転で1ピッチも進む工具ですので、切削油に求められる性能は潤滑性が重視されます。可能であれば不水溶性の切削油をたっぷりと給油するのが推奨ですが、水溶性の場合でも推奨範囲内でできるだけ濃いめの濃度で潤滑性を得ることが大事です。