オーバーサーズのタップとは?
「おねじを入れるときつい」「めねじにめっきをかける」「めねじ加工後の熱処理によるひずみ対策」などの客先要望で、
大きめのねじが必要となる場合があります。その際は、標準よりも大きめ、いわゆる「オーバサイズ」のタップをお使い頂く事になります。
※JISハンドブックの表記では、「オーバーサイズ」でなく、「オーバサイズ」となっています。
カタログにおけるタップの精度表記で、ピンクに識別された「STD」というのがスタンダードの意味で、2級めねじ相当適応のタップの推奨精度です。
下記の資料にありますタップの「精度表記」でSTD+1やSTD+2とあるのがスタンダート「STD」より有効径が大きい「オーバサイズ」のタップとなります。
STDはタップの呼びや種類などによって設定されています。
例)EX-SFT M10X1.5
精度欄「STD」は2級めねじ相当適応のタップ推奨精度であり、それより数字が大きくなると”オーバーサイズ”と呼ばれます。
1ランクオーバーで+0.02mmとなります。
※STDはSTANDARDの意味。全てのタップの各呼びに必ずひとつ設定されています。
①最大径 ②最小径 ③合格範囲 ④2級めねじ ⑤ねじゲージ ⑥止まり側(止まって合格) ⑦通り側(通って合格) |
・切削タップでは、ピッチによってそのオーバサイズ量が異なります。
P0.6以下は15μm、P0.7以上は20μmオーバとなります。 そのタップのSTDがOH3とある時、STD+1ではOH4となります。
STD+1は、STDと比べ、有効径で0.02mm大きくなります。 STD+2ではOH5となり、STDと比べ、有効径で0.04mm大きくなります。
・転造タップでは12.7μmオーバとなります。 転造タップでは、ピッチによるオーバサイズ量の違いはありません。
同様に、STD基準でRH7とある時、STD+1ではRH8となり、STDと比べ、有効径で0.0127mm大きくなります。
要望などにより必要なオーバサイズ量は変わりますが、STD+1、STD+2程度であれば、
2級相当のねじ精度を狙いつつ、同時に大きめのねじを加工することができます。
同じサイズ(例M10X1.5)でも用途によってSTD推奨精度が異なるので注意が必要です。
①一般用スパイラルタップ(EX-SFT) ②鋳鉄用ハンドタップ(EX-FC-HT) ③樹脂用ハンドタップ(EX-PLA-HT) |