ねじゲージの使い方は、JIS規格により決められています。
図面指示の精度等級のものを使用し、決められた方法によってねじを検査します。
【ねじ用限界ゲージ 種類と使い方】
名称形状 | プラグゲージ | リングゲージ | ||
用途 | めねじ用 | おねじ用 | ||
通り側 | 止り側 | 通り側 | 止り側 | |
現JIS 6H・6g等 |
GP | NP | GR | NR |
従来JIS 1~3級 |
GP | WP(工作用) | GR | WR(工作用) |
IP(検査用) | IR(検査用) | |||
使い方 JIS B0251 |
過大な力を加えることなく手でねじ込んだとき 通り側 → 全長を通り抜けなければならない 止り側(現行JIS) → 2回転を超えてねじ込まれなければ合格 止り側(従来JIS) → 2回転以上入らなければ合格 |
従来JISと現行JIS(ISO)で、ねじの精度が変わっただけでなく、ゲージの記号も変わりました。
プラグゲージの通り側は今も昔もGPですが、現行JISの止り側はNP、
従来JISの止まり側は工作用のWPと検査用のIPという2種類に分かれています。
リングゲージも同様で、通り側はGR。
止り側は、現行JISのNRと、従来JISのWR・IRがあります。
通り側ねじプラグゲージとは
めねじの総合有効径を検査するおねじ形のゲージです。
通り抜ければ有効径が小さ過ぎないという点では合格し、
止りねじプラグゲージとセットで検査し合格することでねじ精度が保証されます。
有効径の他、山の半角の許容差、ピッチの許容差についても判定しています。
止り側ねじプラグゲージとは
めねじの有効径を検査するおねじ形のゲージです。
規定内で止まれば有効径が大き過ぎないという点では合格し、
通りねじプラグゲージとセットで検査し合格することでねじ精度が保証されます。
工作用と検査用の区別がある場合は、工作用は主に製造部門や出荷元で使われ、
検査用は主に検査部門や出荷先で使われます。
通り側ねじリングゲージとは
おねじの総合有効径を検査するめねじ形のゲージです。
通り抜ければ有効径が大き過ぎないという点では合格し、
止りねじリングゲージとセットで検査し合格することでねじ精度が保証されます。
有効径の他、山の半角の許容差、ピッチの許容差についても判定しています。
止り側ねじリングゲージとは
おねじの有効径を検査するめねじ形のゲージです。
規定内で止まれば有効径が小さ過ぎないという点では合格し、
通りねじリングゲージとセットで検査し合格することでねじ精度が保証されます。
工作用と検査用の区別がある場合は、工作用は主に製造部門や出荷元で使われ、
検査用は主に検査部門や出荷先で使われます。
※ゲージの使い方は、
現JISと従来JISでは止り側の合格条件に少しだけ違いがあります。
過大な力を加えることなく手でねじ込んだとき、
通り側は全長を通り抜けなければなりません。
・ISO(現行JIS)
6H(めねじ精度)や6g(おねじ精度)のねじ精度の合否判定をする現JISの止り側は、
2回転を超えてねじ込まれなければ合格
・従来JIS
1級や2級のねじ精度の合否判定をする従来JISの止り側は、2回転以上入らなければ合格
厳密に読み取れば、2回転ちょうどだった時、
現行JISでは合格で、従来JISでは不合格となります。
しかし、使う人の気持ち次第で合否があやうくなる2回転ちょうどを
合格とみなすのはトラブルの元だと考えます。
口元や先端部まできちんと作られた良いねじでは、1回転も入らないことが多いです。
2回転近く止り側ゲージが入るねじは、工具を含め加工状況を確認するとよいでしょう。
・限界ゲージ
限界ねじゲージという言葉に使われる限界方式とは、
規定された許容差内にあるかを証明するために、最小と最大を検査する事です。
ねじ用限界ゲージでは、ねじの有効径が許容差内にあることを検査します。
また、栓ゲージというねじがついていないゲージもあり、
こちらは穴径が許容差内にあるかを検査します。