スレッドミルでオーバサイズのねじを加工する方法
オーバサイズとは、一定のねじ精度より大きめのねじのことです。大きめのねじを作る理由として、めねじにめっき処理をする、製品の熱処理をした際のひずみによる変形を見込む、など様々です。タップでは、オーバサイズのねじを加工する際にタップ側が少し大きめ(オーバサイズ)である必要がありますが、スレッドミルでは加工パスを調整することで同じ工具で対応が可能です。下記に、スレッドミルでのシーン別のオーバサイズのねじを加工する方法を紹介します。
・ゲージ合格のための軽微な径補正の場合
プログラムはそのままで径補正の調整にてご対応ください。その際、位置ずれを防ぐためにワークのクランプは取り外さずに行ってください。
・+0.3等図面に指定がある、または、あらかじめ必要なオーバサイズ量がわかっている場合
ThreadPro(スレッドプロ)で対応が可能です。ねじの種類「カスタム」にて、指定のオーバサイズ量(めっき前ならめっき厚の4倍量)をねじの呼びに追加した値でプログラムを作成ください。ピッチはそのままでよいです。下穴は、めっき処理がない場合は切削タップ下穴の範囲でよいです。めっき処理がある場合は、「切削タップ下穴」から「めっき膜厚の2倍」を足した値を入力ください。
・量産加工の場合
量産加工などで工具の耐久を向上させたい場合は、ThreadProのねじサイズ選択の画面内にて、ねじの種類「カスタム」を選択し、ねじの呼び(D)の入力欄に ねじの呼び(D)+必要なオーバサイズ量(めっき厚の4倍)の値を設定されることをおすすめします。
(FAQID:14805)