切削条件の基礎・計算式
切削条件とは、その工具をどの位の速さで回転させたり、移動させたりするかを決めることです。
機械で加工する為には、「回転の速さ」と「移動の速さ」を具体的な数字で設定する必要があります。
機械のNCコードでは、回転の速さをS・移動の速さをFで表します。
・回転の速さ
工具が回転する速さの表し方は、2種類あります。
「回転速度」と「切削速度」です。
回転速度とは、1分間あたりの回転数を表します。(1分間で何回まわるのか)
例:500min⁻¹ (1分間で500回転) ※旧単位:rpm
切削速度とは、回転する工具外周の速度を表します。(円周上を回っている速さ)
例:20m/min (分速20m)
・移動の速さ
工具が移動する速さの表し方は、2種類あります。
「1刃あたりの送り速度」と「1分間あたりの送り速度」です。
1刃あたりの送り速度とは、1刃あたりの何mm進むかを表します。
例:0.2mm/t (1刃あたり0.2mm進む)
例:0.2mm/t (1刃あたり0.2mm進む)
1分間あたりの送り速度は、1分間で工具が何mm進むかで表します。
例:100mm/min (分速100mm)
例:100mm/min (分速100mm)
また、切削速度から回転速度を出したい時や、1回転当りの送り量から送り速度を計算したい場合は
下記の回転速度・送り速度の計算式をご利用ください。
・単位
π (パイ) = 円周率(3.14)
Dc = カッタ径(mm)
z = 刃数
π (パイ) = 円周率(3.14)
Dc = カッタ径(mm)
z = 刃数
切削速度 (Vc)【m/min】 = π × Dc × n ÷ 1000
主軸の回転速度(n) 【min⁻¹ 】 = Vc × 1000 ÷ Dc ÷ π
送り速度(Vf) 【mm/min】 = fz × z × n
1刃当たりの送り(fz) 【mm/t】 = Vf ÷ n ÷ z
参考
・ドリルの送り速度(Vf)【mm/min】= 1回転あたりの送り量(mm/rev)×(n)
※rev:revolution 1回転、1周の意味
・ドリルの送り速度(Vf)【mm/min】= 1回転あたりの送り量(mm/rev)×(n)
※rev:revolution 1回転、1周の意味
弊社の標準的なドリルでは、1回転あたりの送り量はドリル径の2%~3%が目安です。
Φ10なら、10 × 0.02 = 0.2mm/rev
Φ10なら、10 × 0.02 = 0.2mm/rev
加工穴深さがドリル径の3倍を超える場合は、ドリル径の0.5倍から1倍のステップ量をご検討ください。
・タップの送り速度(Vf)【mm/min】= ねじのピッチ × (n)
タップは1回転で1ピッチ(=1山分)進む ※1条ねじの場合
M10×1.5なら、1回転で1.5mm進む